朝日新聞出版のAera Dot「台風で停電を防ぐ秘策"無電柱化" 法整備されても進まない理由」によると、「3年前、やっと無電柱化推進法が議員立法で成立した。2018年には、国は3年間で1400キロメートルの道路にある電柱をなくす、という計画を発表した。」
言われて見れば、日本のどこに言っても、電柱を見ないところはほぼありません。景観を損なうと言う言い方もでできれば、日本の景観の一部であることもいえます。
しかし、同記事によると、「9月上旬に台風15号が首都圏を襲ったときには、千葉県を中心に2千本以上の電柱が倒壊し、93万戸以上が停電した。昨年秋に上陸した台風21号でも、関西で約1300本が折れ、大規模停電につながった。停電は病院の患者さんの命にかかわる。倒れた電柱で救急車も通れなくなる。」
つまり、景観以上に問題になっています。
「パリやロンドンは無電柱化率が100パーセント」というのは実にうらやましい話です。対して、日本では、「進んでいる東京23区でも8パーセント」にすぎません。
その歴史的な原因としては、「戦時中、空襲で主な都市が焼け野原になったため、戦後はできるだけ安く、早く都市を復興させようと、電柱を立てて送電線を張りめぐらせたためだ。」とされていますが、今となって、上下水やガスなどの施設と共に送電線、通信回線などをさらに地下化するスペースがあるなど羽化は甚だ疑問です。
さらに、特に年度末となると、至るところで道路工事が行われています。それは大概上下水やガスなどの施設など関連のように見えます。新たに送電線、通信回線などが増えると、道路工事や、マンホールはその分増えることになります。
今度は路面の「景観」がより酷くなるし、天候が悪いと、さらに滑りやすくなったりするでしょうし、また水による障害も増える恐れがあります。
それは、あくまでもそのための予算があるという前提です。自治体によって、既存の上下水道の修繕費用すら足りないのに、電柱地中化の費用は論外でしょう。
最後になりますが、上記の記事では、「地中化しようという国の政策は1980年代からあったが、予算規模は小さく、大半は放置されてきた。今、電柱は全国に約3600万本あり、年に約7万本増えている。」そうです。さらに、そのダメ押しとなるのは、「国土交通省によると、電柱だと1キロメートルあたりの工事費が約3千万円だが、地中化には約5億円かかる」という厳しい事実です。
先の道のりは長いですね。